私はそろそろ、黙って海獺氏の登場を待ちたいと思うのです。あのIPブロックについての疑問点は明確に指摘しましたしね。ただ、まだ言っておかなければならないことが残っています。
それは私がこのMLで問題提起してからMLに投稿された、管理者諸氏の対応についてです。管理者というのは、一般ユーザーとの関係においては、一人一人がウィキペディアを代表する関係にあります。それが組織というものです。会社で例えるなら、たとえ社内では社長でなく平社員であっても、特定の顧客の担当者である限り、その担当者の当該顧客に対する行為は会社の行為とみなされるわけです。
例え話をしますよ。Xさんが、Y株式会社の平社員担当者A氏の行為について、問題があったとしてY株式会社に苦情を述べたとします。Y株式会社の取るべき対応はどのようなものでしょうか?まずはA氏の行為に問題があったかどうか別の社員が調査して、Xさんに報告することです。まっとうな会社なら必ずそうします。
しかしこのMLに現れた管理者諸氏の言動はどうでしょうか?「やったのはAさんであって私ではありません。そしてAさんはこれこれこういう高い能力と権限を持っているので、たぶんその行為は正しいんだと思います。」と言っているだけです。Xさんがブチ切れることは必至です。
自分のやった行為について、冷静に監査できる人は少数派です。だから外部から苦情が来たら、必ず他の誰かが調査しなくちゃいけない。裁判であれば一審の裁判官と二審の裁判官は別人物でなければいけない。ウィキペディアはその意味で、ガバナンスがなってないと思います。海外版では苦情の最終的な受け皿となる独立機関「調停委員会」のようなものも、日本語版では未設置ですしね。
なぜ、海獺さんが施したIPブロックに対し、あるいはKanjyさんが施したアカウントブロックに対し、どの管理者も自ら調査しようとしないのでしょうか?なぜ推測だけして正しいと信じてしまうのでしょうか?なぜMLに顔を出したり管理業務以外の私的な編集を行う時間はあるのに調査しようとしないのでしょうか?
あと、少なくとも東京特許許可局氏は、明らかに適正手続を理解していません。氏の発言に、次のようなものがありますね。 「おのべ頂いている理由だけでは今回の件を解除できうる決定打になってございません。」 不当であることをこちらが証明しない限り、ブロックを解除しないぞという姿勢が表れています。しかしじあだんぱさらん氏へのブロックも、私等へのIPブロックにしても、何ら審議を経ることなく独断で即時になされたものです。そして具体的な「判決理由」も当事者に伝達されていません。このようなブロックを確定判決のように扱って正当性を推定し、異議を述べる方に不当であることの証明責任があるという再審に準じた扱いをすることはできません。他の管理者は2つのブロックが正当だったか不当だったかという、ニュートラルな状態から話を聞いて、調査・対応しなければならないのです。 何?「判決理由」はブロック時に示されている??ご冗談を。じあだんぱさらん氏に対しては、特定の荒らしと同一人物であることまでは提示されていますが、その根拠が全く示されていません。刑事裁判で言えば、「罪となるべき事実」だけ書かれていて、肝心の「なぜこの人が犯人だと言えるか(証拠)」が全く書かれてない状態です。訴訟の判決であれば形式的な不備があるものとして、絶対的上告理由でしょうね。また、私他へのIPブロックについては、荒らしに該当する編集行為が明かされていませんから、そもそも「罪となるべき事実」が示されていません。例えるなら単に「貴方は殺人ね」と言われただけです。 このように「判決理由」の示されていないブロックを確定判決のように扱って、異議を述べる側が不当性を証明して初めて対応するというのは、完全に誤りです。
本郷憲正