はっきり言って、手のつけようがない記事の典型です。たとえていえば、零点の答案にいくら添削しても合格答案にはならない、そういうことです。ついでに言っておくと、日本国憲法制定に関して、法的瑕疵のゆえに無効、という記述が、このすぐ前にありますが、これは「一人説」(小森義峰)で、論理的に矛盾があり、簡単に言えば何が何でも日本国憲法をなきものにしたい、というイデオロギーの表明として学界では相手にされていません。だから教科書でも省略するものが少なくないのですが、そんな「一人説」でも出典は求められていませんね。Wikipediaの見識・自民族中心主義・出典主義のいい加減さぶりを象徴する一例でしょう。
話を解散権に戻して、このくらいのことは書店で立ち読みしても、解散権論争について論点整理は簡単にできます。そしてそれぞれについて難点があることも5分もあれば、すぐわかります。ヒントだけ出しておくと、7条解散説・制度説・69条解散説、この三つを軸として整理した後ならば、添削でなんとかなりますが、ここの記述は、はっきり言って「でたらめ」です。「でたらめ」に手を加えても、腐った魚が加熱しても腐ったままであるのと同じこと、と理解して下さい。
ましてや「編集禁止」で応答する、どうしてもやりたきゃ身元を明かせ、というのですか? 「匿名の言論」(≠2ちゃんねる的匿名言論)の意義を知らない暴論としかいいのない偏狭な議論ですね。Wikipediaは軽佻浮薄なマスコミに持ち上げられているうちに、そこまで思い上がったのか、としか言いようがありません。かつてはもっとおおらかでした。おおらか=(広義の)寛容こそ、真の知へ至る王道でしょう?