山田ＬＸ さん、こんにちは。 メーリングリストの参加者の方々、こんにちは。 koba-chanです。

今回の件は、二つの点で指摘が出ているように感じます。

2007/12/04 17:05 付けの『[WikiJA-l] IPアドレス61.25.201.1の荒らしについての報告』に書かれている「私は日本語版ウィキペディアの利用者Railroadです。」の点。 自己紹介を書いてからメールの本文を書くことはよくあることですが、前記の文章の『日本語版ウィキペディア』を誰もが知っている保証はありません。加えて、『利用者Railroad』という人物もどういった人なのかは、メールを読んだ（読まされる）一面識もない相手には分からないと思います。

何やら「日本語版ウィキペディア」というものがあるそうで、そこの利用者のRailroadという人物からメールが届いた、という情報から何を得られるのか、という点に着目すると良いのではないのでしょうか。

「日本語版ウィキペディア」と書かれているからには『「ウィキペディア」という何か』には日本語版以外のものもある、ということは伝わりますが、「ウィキペディア」が何なのかは知らない人にとっては未知のものです。利用者と書かれているので、「ウィキペディア」が何かしらの参加制限や許可のありそうなものであることは推測できますが、それ以上のことがらは分かりません。

もしかしたら、ウィキペディアとは遊園地なのかもしれないし、電子メールで届いたのでネット上の何かかもしれない。仕方ないのでウィキペディアがどういうものか調べてみるしかないかな、という状況になるかもしれません。

「自分が知っているから相手も知っているだろう」という思いこみは日常的にありがちなことですが、基本的に相手は何も知らないと云う前提で失礼のないように一から説明して相手に伝えていくことが誤解を生じさせない第一歩ではないでしょうか。

2007/12/04 17:59 付けの『Re: [WikiJA-l] IPアドレス61.25.201.1の荒らしについての報告』で、Bellcricket さんが指摘されている最初の点は以上のようなことではなかったのかな、と思います。

次に、上記のメールでBellcricket さんが「誰かわからない個人名をメーリングリストに流すのは」と書かれている点についても、Railroad さんが書かれた個人名がどういった意味合いのものかがメールの受取者には分かりませんし、その判断も付かない状況で誰の誰兵衛と書かれても相手は困惑するばかりだろうと感じます。今回のような問い合わせメールの受付け部署では大抵の場合、誰の誰兵衛が身近の人間なのか、組織に関わる人間なのかという点を最初に考えるかもしれませんが、そういった考え自体も担当者ごとに異なる可能性があります。メールの文章中で敢えて個人名らしきものを記載する必要があったかどうかも検討の余地があると個人的には感じます。

出来る限り相手の立場でものを考え、自分の考えや思いこみを押しつけず、何回かのメールで質疑応答を繰り返す気持ちがありませんと、ともすれば相手に不信感を抱かせることもありますし、簡単に解決できることであってもすぐに要らぬ混乱を招きかねない点も考慮しなければなりません。

今回のことは、書かれている事柄、主張する事柄そのものについてはウィキペディアをよく知っている人たちには納得がいくものなのかもしれませんが、ウィキペディアを初めて知った人たちにどのように映るのかという点を考慮しているかどうかという点では甚だ不親切なものになったのではないかと感じます。

相手があっての作業は、ことを急がず、結論をすぐに求めず、互いに意見交換しながら進めていくことが解決の近道であり、王道ではないかと感じます。

ここのメーリングリストでは「ブロックされたから管理者の誰々が悪い、すぐに解除せよ」といった主旨のものが多いですが、何がどこでどうなって、誰がどうなってしまったのか。その原因は誰にあるのか、当事者である自分はどういった立場でどういったことが問題になったのか、等々を当事者ご本人が自己分析しない限りは解除されないといった事例が多いです。

自分が知っているから相手も分かっているはず。そういった前提のメールだったからあまり良くなかったんじゃないの？という点が今回の争点ではなかったのかな、と私は読みました。

以上、あくまで私見と想像で書きましたが、山田ＬＸ さんにあってはご納得のいく内容になりましたでしょうか。