まずは大枠での話題の整理をしてみます。
Wikipedia:著作権 の書き換えに関しては、話題が3つぐらいあるように思います。
GFDLの解釈を変更する GFDLの適用除外を拡大する GFDLについての解説を除外する
という3点です。最初の2つの境界線は必ずしもクリアではないようにも思いますが。
どのページにどのような記述があるべき・ないべきか、という話を考える上で 重要な点は、現在ウィキペディアに文章を投稿する際には、GFDLとWikipedia:著作権の 両方に同意するように求められる、ということだろうと思います。
この内、GFDLの解釈とGFDLの適用除外については必要性が大きいですが、GFDLの説明に ついては、あるいはそこからもう1リンク離れた場所にあってもいいかという風にも 思いました。
いずれにせよどこかにあるべきだとは思います。
次に、解釈と適用除外について
Modehaさんのこのメールから2箇所引用します。 http://mail.wikipedia.org/pipermail/wikija-l/2004-July/000086.html
2004年7月現在、すべての日本 語版Wikipedia使用者は、履歴が記事の削除などによっていつか破損するか もしれないことを覚悟した上で投稿していますので、破損しても全く問題 ありません。
これはWikipedia:著作権の記述を書き換えたから、ということでよいですか?
だとすると厄介なのは過去の投稿者がそれに同意していたかどうかがわからない ことだと思います。
「履歴全部リンク化しなくても、最新版へのリンクさえしてくれれば、 Wikipediaの全利用者とWikiMedia財団はGFDL違反だなんて騒ぐことはない から安心してね」という宣言をしてもよいのでは?
よいと思います。少し細くすると、何月何日何時の版かを特定してもらうのが いいような気もします。
ちなみに、財団はコンテンツの著作権者ではありませんので、 今のところ関係ないと思いますが。日本語版に投稿している文章の個々の著作権者の 代理人として財団が著作権を侵害している人に問い合わせや警告を送る権利は、 今のところはないだろうと思うので。英語版ではそういう体制をつくるための議論が ありますが。
ただ、これはGFDLの解釈ではなく適用除外のようにも思うので、 解釈と混ぜない方がいいように僕は思いました。
あと、ウィキペディアのコンテンツを直接利用せず、第三者のサイトなどを経由して 利用する利用者を考えると話が少し違ってくるのかも知れないと思うことがあります。 ウィキペディアのコンテンツを利用したサイトを二次利用者とすれば、その二次利用者 からコンテンツをとってきて利用するような、いわばウィキペディアにとっての3次 利用者のような存在を考えた場合には、GFDLをもう少し厳密に適用したいという人が 多いのではないかと。
こういう3次利用者については英語版でもメーリングリストでも議論になっているのを 見たことがないですが、現在、外部利用者に対するGFDLの要求を緩和したいという意見を 持っている人は、個々の投稿者の名前は省いてウィキペディアの名前だけ出してもらえば いい、それによって結果としてウィキペディアがもっと繁盛する、あるいは認知される ことにもなる、という路線で考えているような印象があります。ですが、2次利用者に 対して履歴のコピーを義務付けなかった結果、それを知らない3次利用者が履歴のない GFDLコンテンツとして2次利用者のコンテンツを利用した場合には、ウィキペディアは 余り得をしないので嫌がる人がもう少し多いかと。
もちろんそれ以外にも、自分の名前が履歴に保存されないこと自体を嫌だと思う方もいると 思いますが。
それからもちろん、自由な情報資源の流通の方が大事だからウィキペディアの損得勘定 はどうでもいいという人ももちろんいるわけですが。
Tomos