IPとIDには質的な違いはなく、同じような問題を抱えているのだけれども、 問題への対処がIPの方が大変なので、そのような「便宜的、技術的な理由」から、 にIDのみに投票権を与えよう、というのがこれまでの意見だったかと思います。
ですが、KIZUさんは以前、運営まわりの案件について匿名の参加者の議決権を 認めるのはねじれていると思う、というような意見も書かれていたので(あるいは それは私見であって特に考慮する必要のないものなのかも知れないのですが) それについてもう少し考えてみました。つまり、技術的な理由ではなくて、 IPとIDは質的に違うものだから、IDにのみ投票権を認める原理的な理由がある、 という議論が可能かどうかを考えてみました。
#結論としては、ある、ということになるので、今までの僕の立場とは違って いますが、だから黙っているというのも違うと思うので。
#別のところではユーザ名を使っていてもそれで誰だか特定できるわけではない、 というようなことも書かれていたような気がするので、その点を考えるとよく わからないのですが、そこは今回は省略しました。
SampoさんがKIZUさんの意見がわかりづらい、とされていますが、僕も抽象的な 意見だけで具体的にどういう意味なのかがわからなかったので思い切った具体例 を考えてみました。ただ、結果としてはKIZUさんの意見というよりも、 KIZUさんの話題にしていた件について僕が思いついた事、ぐらいの関連しか ないかも知れません。
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IPとIDからの発言を考えた時に、その発言の責任を誰がどうとれるか、というところ に違いがあるというのがKIZUさんの基本的な意見ではないかと思いました。
具体的には、個人的な経験からは、IPからの発言であっても、相手にきちんと 応答すれば、議論は成立するし、質問や反論にも応答してもらえることは珍しくない、 という感触があります。また、IDであっても駄目な場合はある、とも。
ですが、複数の発言の主が同じ人であるのかどうかがわからなかったりすることが あるのと、もうひとつ、既に終了してしばらく経った議論について、改めて説明 や質問などが欲しい場合には、そのIPの会話ページにお問い合わせをしても有効なのか どうかがちょっとわからない、と思います。その人が複数のIPから利用している場合 には、届かない可能性も相当あるんじゃないかと。
現に削除依頼に関連して、著作権侵害の可能性が考えられる投稿をしたのがIDからの 利用者であればその人の会話ページに問い合わせをしますが、IPからだったらしない、 ということが多くあります。(但し、問い合わせをしなくても、IPの方がやってきて 説明をして下さったこともありました。)
この、どこに問い合わせたらよいかわからない、というのはちょっと問題と言えば 問題のような気がします。
ウィキペディア関連用語について、特定の用語を支持した人に後になって意見を聞きたい けれども、どこに問い合わせてよいかわからない、とか。特定の管理者に対する信頼 が揺らぐようなことがあったのでかつて信任を表明した人に意見を仰ぎたいけれども、 どこに問い合わせてよいかわからない、とか。
これを投票にあてはめると次のように言えると思います。
議論による合意形成では、基本的に関心のある参加者全員が一致できるような案を 探すことになるので、誰が何を言ったか、誰が賛成したか、などについては問題に ならない場面が多いかと思います。後になって合意された内容について問題があれば、 改めてよりよい案などを模索してそれに切り替えればよいかと。
ですが、そういう議論が行き詰って、投票が導入されるのは、複数の立場があって、 それぞれに分があるし、よい妥協点も見当たらない(記事冒頭のよみがなを太字に するかどうか、など)という場合だろうと思います。
投票の場合にはどの案が誰の支持を得るかが問題になりますし、どの案がより多く支持 されるのかも問題になります。ところが、IPからの利用者の場合には、後に投票で 表明された意見について問い合わせをし、責任を問おうと思っても、どこに問い合わせて よいのかがわからない、と。
Miyaさんが少し前のメールで、IDであっても、プロジェクトへの参加中止を表明した 方については投票権を認めないことにしてはどうか、と提案されていましたが、それも 票の責任を問えないから、というような面があるかと思います。
それから、僕が以前提案した、再投票が可能になる条件のひとつに、関心のあるメンバー が変動した、というのがあったように思います。それなりに分がある複数の選択肢から 「とりあえず今のプロジェクトのメンバーの好みはこちら」という理由で特定のものを 選ぶ場合には、当然メンバーが変わればそれに合わせて選択しなおしがあってもいい だろうと思います。ですが、ここでIPからの投票があると、そもそもメンバーが変わった のか、変わらなかったのかの判断もつきがたいかも知れません。
以上のようなことを考えると、IPからの参加者にはIDからの参加者と同じだけの議決権を 与えないという原理的な理由があるいはあるかと思いました。
この問題が解決できる見込みがあるとすると、次のような条件が満たされている必要がある かと思います。 *自分のみが使うIPが最低一つあり、そのページを連絡先として指定してもらう。なければ IDを取得してもらってその利用者‐会話ページを使ってもらう。 *どの発言がその問合せ先と結びついているのかがわかるように、例えばどのIPからであれ、 署名の際に連絡先に当たるページへのリンクを張っておいてもらう。
これは不可能ではないので、この方がいいというIPユーザの方がいれば、それでいいかと 思います。(ただ、先のメールで考えたような、別の問題・理由から、やっぱりIPユーザ には投票権を認めないべきだ、ということになるかも知れないですが。)
以上です。
Tomos