おはようございます。 匿名ユーザに投票権を認めることへの否定的見解について。
In Message-Id: 429457060920040714213832sphl@pan.tok2.com sphl@pan.tok2.com wrote:
最終的にはこうなっております。固定IPなど一定の識別可能な場合に投票権を認め ることに賛成が多ければ強く反対するものではありませんが。
固定IPでも、IPが振られたマシンに複数アカウントが設定されていれば* 複数人からの投票が可能になります。ですので固定IPの場合でも識別可能とは いえないでしょう。
*おそらくそうではないかと思われる例を近日に見ましたので、ご参考までに。 [[Wikipedia‐ノート:合意形成#ある事例]] http://ja.wikipedia.org/w/wiki.phtml?title=Wikipedia%E2%80%90%E3%83%8E%E3%83...
Tomos さんの「ログインユーザとしての実績と IPアドレスからの実績の 両方をあわせみて同一性を考慮」という案は、こうした場合には機能しないの ではないでしょうか? IP アドレスからの匿名の投票の場合には、まして。
仮にそのようなマシンから IP アドレスによる投票を許したとすると、 悪用すれば本人の Wikipedia 上のアカウントと IP address からと 複数票の行使が可能になります。したがって公正の観点からだけでなく、 無用な誘惑をおく利益を認めない立場からも、IPアドレスからの投稿は 機械的に無効とみなすほうがよいと考えています。
martin さまがメールアドレスを複数持つことによる不正投票の可能性を 指摘しておられましたが、同様のことは USENET 他で The Internet 以前から 指摘されています。「root であれば複数のメールアドレスを用意できるし そこから不正投票が行われたとしても外部からは検証しようがない」。 これは当初は最悪の事態の想定として語られていましたが、'90年代後半からの サイトの急増で、いわゆる rogue site が出現することによってあながち 現実味のない話でもなくなってきた、ということは news.admin.misc などを お読みの方はご存知かと思います。
そこで USENET の Request for Vote では実名の併記を義務付けたり、 本人確認のためメールを介在させています*が、これも結局は 気休めにしかなっていない、ということもまた当初から指摘されています。 悲観的ですが、同じことがウィキペディア上のログインユーザによる投票 にもいえるだろう、と私は予想しています。とはいえ、 IP address からの匿名の投稿に比べれば、まだ Wikipedia 上での追跡 可能性や、ノートページなどでの応答可能性が補償されていますので、 やはり匿名ユーザの投票を抑制することには一定の効果が期待されるだろう と考えています。 *投票・本人確認メール・投票の確認の一往復半
Sampo さんの提案される 「不公正が内在することは分かっているが、運用して様子をみればよいでは ないか。それからでも遅くない」(誤解があるようならご指摘ください)と いう案は、 ・システム設計上予期できる混乱をあえて残すのは賢明ではないと思える ・時期を区切って意見を問う投票形式に対して、コンセンサス方式では そもそも結論を出すのに長引く傾向にある。投票の公正性というのは大抵 紛糾するに決まっている話題であり、そのような事態で早期の収拾が図れる とは予想しがたい。その案、本来の案件の処理も遅れることが予想される という点から肯じがたく思いました。
ところで、匿名での投票を強く主張されているのは、いまのところ Sampo さん だけのようですが、他にもおられるのでしょうか。 [[Wikipedia:合意形成]]のノートの議論でも、 匿名ユーザからの投票権を求める匿名ユーザはありません。匿名ユーザに 投票における議決権を認めることへの要望が当事者からは出ていないことに、 この議論にどれだけ実際的な意義があるのかとも考えさせられました。